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山頂でおいしくコーヒーを淹れる方法

 店では、コーヒーのことでお客様からいろいろ質問されます。
 多いのはコーヒーの抽出方法に関することで、上手に淹れるにはどうすればよいかというもの。

 考えてみれば、コーヒーの淹れかたをちゃんと教わる機会は、ありそうでありません。
 学校でも家庭でも教わらないし、そのためだけに専門学校へいくわけにもいきません。喫茶店のカウンター越しに店員のやり方をみて覚えるか、コーヒー好きの友達に教えてもらうぐらいでしょうか。

 しかも、ペーパードリップ一つをとっても、プロででさえやり方がみな違うので、情報が錯綜してややこしいのです。
 当店では最初に少量のお湯で20秒〜30秒蒸らすこと、数回に分けて注ぐこと、ペーパーに直接湯がかからないようにすることなどを注意点としてお伝えしていますが、お役に立てているかどうか。

 登山が好きで、よく頂上でコーヒーを淹れて飲むというお客様からは、気圧のせいで沸点が低い山の上でおいしく淹れるにはどうすればよいかとのご質問。正直なところこれにはちゃんとお答えすることができませんでした。

 調べたら標高2000mの沸点は93度ぐらい。標高が300m増すごとに約1度下がり、富士山頂なら87度ぐらいになるのだそうです。いろいろなコーヒー店の淹れ方を紹介したムックがあるのですが、それによると、抽出のときの湯の温度は90度前後が多いようです。一番低い店で83度というところもありますので、富士山の山頂でもおいしく淹れることはできそうです。
 もしかすると抽出そのものではなくて、平地より気温が低いせいもあって短時間で「ぬるくなって」しまうことのほうが問題なのかもしれません。83度で淹れるお店では、器具をしっかり温めておくと書いてありましたが、山の上ではそういうわけにもいきません。カップを比熱の小さい耐熱プラスチック製にする、性能の良い魔法瓶を使うぐらいしかいまのとこと思いつきませんが、ほかの人にも聞いてみようかと思っています、

でも山頂で飲むコーヒーは格別ですよ、とそのお客さんは言ってましたので、少しぐらいぬるくたってほんとうは構わないのかもしれません。

半額セール顛末記〜その3

 やっと動き出した2台の焙煎機で朝からせっせと焙煎しつつ、セール3日目の開店準備もやらないといけません。
 いただいたたくさんの花を店の前に出すだけでもひと仕事です。

 11時開店。焙煎済みの豆は20ほどにはなったでしょうか。
 お客さんの入りはこの日もかなりのもので、用意したコーヒーは順調に捌けていきます。
 うちの店は小さな住宅を改装したもので、店舗スペースはギリギリ。建物の構造上の制約もあって、焙煎機の設置場所にかなり苦労しました。店を入ってすぐの場所に焙煎機があり、そこに私もいて作業をするということになっているのですが、セールのように次々お客様が来店されるときは、この構造があまりよくないことに気がつきました。

 来店されたお客様に豆の特徴を説明するのは豆屋の基本中の基本だと思っているので、初日こそいっしょう懸命説明につとめました。ところが焙煎作業中にお客様と話していると操作がお留守になってしまうのです。
 作業そのものは、火力と排気の調節をちょこちょこ、煎り上がった豆の取り出しとそれほど多くはありません。しかしタイミングが非常に重要で、わずかな時間のズレで結果が大きく違ってくるので「目が離せない」のです。
 そこで、2日目からは説明の方はカミさんに任せて焙煎作業になるべく集中するよう切り替えたのですが、ご来店が重なると、お待たせするのが忍びなくて接客を始めてしまうという事を繰り返していました。

 そこで、やってしまったのです。
 焙煎機には煎り上がった豆を冷却するファンがあり、豆を排出するときにONにし、豆の冷却が終わればOFFにします。このスイッチは主電源スイッチの横にあります。
 冷却が終わったのでOFF、にしたつもりが、そのとき私が押したのは主電源の方のスイッチ…そうです、何度カチカチ押しても入らなかった2号機の主電源スイッチでした。
 (うわぁああ)とうめいても後も祭りです。
 早速、カミさんに出動ねがったものの今回はカミの手も通じず、電源の切れた2号君は押し黙ったまま。

 営業時間中なので、その間にも次々とお客様が来店されます。それこそ待ったなしの状況です。
 2号機の方はあきらめて、残った1台、カラカラいってるいまにも止まりそうな1台で立ち向かうしかない状況にみずからのミスで追い込まれてしまったわけです。エンジンの止まった飛行機を無事着陸させなければならない航空パニック映画の主人公のようですが、もちろんそのときはそんなことを考えている余裕はありません。
 その時点で、準備した豆のほとんどが売り切れとなっていました。

 そこでカミさんが、こう言い放ったのです。「注文をいただいてから時間がかかることを正直に話して、納得いただけなければあきらめようよ」
 うーむ。こいつは方向音痴だし機械には弱いし理科社会方面の一般常識はないし免許はあるのに車の運転はできないし、でも意外に腹が座っているのかもしれない。このひと言で「あらかじめ焙煎済みの豆もいくつか用意しておく」方針をあっさり撤回。順番に焙煎していますが、立て込んでいるので後でとりに来ていただくことは可能でしょうか、という趣旨の説明をして、200gしか煎ることのできない一台の焙煎機で、できるところまで注文にお応えすることにしました。もちろん後からとりにくるのは無理という方もなかには少なからずいるはずで、それでなくても客に2度足を運ばせるとはとんでもないと厳しいことも言われそうです。

 しかし、そこでまた、予想外の事が起こりました。
 ほとんどのお客様が、いいですよ、何時にくればいいですかと、嫌な顔ひとつせず言ってくださるのです。
 夕方のお客様など当日中では間に合わず、翌日の月曜日のお渡しになってしまったのですが、それでも誰ひとり文句をいう人はありませんでした。もうただただ感謝。

 長らく田園都市線沿線に住み暮らしていますが、近隣の人々とは満員電車やスーパーマーケットの中でしか接触がなく、どういう人たちなのか正直イメージがわかなかったのですが、商売を始めてみてようやくいろいろな人とふれあう事ができ、そして感じのいい方がとても多いのに驚きました。

 こうして恐怖の絶叫マシンのような当店最初のセールは終わりました。
 いきなり半額セール、しかも試飲サービスまでやるなんて無謀でしょとカミさんの友人たちに叱られました。
 でも、とても放っておけないと4人交代でセール期間中ずっと手伝いに来てくれて本当にありがとう。
 たくさんのお客様にご迷惑もおかけしました。カミさんにも焙煎機にも無理をさせました。たしかに準備不足は認めます。でも、いまではやってほんとうによかったなと思っています。
 しかーし、半額は2度とやりたくありません!(完)

半額セール顛末記〜その2

 動かなくなった焙煎機。
 セールは明日も来週もある。
 時計の針は0時をとっくに回っています。
 カバーを開けたり、叩いたり、直るわけがないのに愚かしくも不合理な行動をとる自分が情けなくなりますが、やらずにはいられない。
 焦りってやつですね。
 こういうときは、慌てていろいろやらない方がいいと思い直して、酷使が原因なら少し休ませてみようと、焙煎機の前を離れる事しばし。

 キッチンで頭を抱えていると「うごいたー」とカミさんの素っ頓狂な声。
 スイッチの入らなかった2号機が力強く回っているではありませんか。
 私が何回カチカチやっても無言だったくせに、カミさんがスイッチを押したら、一発で始動したそうです。
 (大変だったね、ありがとう)とココロのなかで声をかけながら押したらうまくいった、ですと…。
 このときばかりは、見慣れたカミさんの顔が神々しく輝いて見えましたです。はい。

 やれやれ、まだ片肺飛行だけど、最悪の事態はさけられそうです。
 その夜は最低限の数量を煎って、動き出した2号機のスイッチは切らずに就寝。

 翌朝、残る1号機はどうか、と電源再投入。こっちはスイッチは入るけど肝心のシリンダーが回らなくなっていたのですが…
 おおお、回った回った。まだカラカラ音はするけど。
 今日一日持ちこたえたら、修理の人を呼んでやるからな〜

 というわけで、半額セールの1週目の大ピンチはなんとか回避できた、はずだったのですが。
 まだ、これには続きがありました。

半額セール顛末記〜その1

 11月22日に実店舗をオープンし、きょうでちょうどひと月になります。
 先々週と先週の2週連続で名刺がわりの『半額セール』というのをやりました。そのときのお話。
店は金・土・日の週末3日間営業で、セールは3日間×2週、計6日間と言う事になります。私らにしてはガンバったわけですが、そこにとてつもないピンチが待ち受けていました。

 うちの焙煎機、トーマス1号、2号は1回に200gしか煎ることができないので、2台合わせても1時間に200g入り5、6袋が精一杯です。セールでは、大勢のお客様が見えることを見越してあらかじめ多めに焙煎しておかなければならないのですが、はっきり言ってトーマス君たちはそういう仕事には不向きなのです。
 でも、今回ばかりは不向きだなんだと言ってられないので、セールの2日前からがんがん働かせましたよ。1日中焙煎して2日間で50袋。休憩なしのノンストップです。

 人間が倒れるか機械が壊れるかなんて冗談を言っていたら、セールに入って2日目の夜、ほんとうにトーマスたちが2台同時にストライキに突入してしまいました。1号の方は少し前からシリンダーを回すモーター付近でカラカラと嫌な音がしていたのですが、とうとう焙煎の途中で回転がストップ。2号のほうはというと、ほぼ時を同じくして主電源のスイッチが入らなくなってしまいました。まるで2台が示し合わせたようなぐあいです。3年間ほとんどトラブルなく働いていたのに、なぜ、いまなのよ…

 セールのお客さんの入りはというと、想定を上回るご来店で、用意した50袋は2日目の早い時間に完売。2日目の夜はフルに焙煎機を回さないと3日目の日曜日には売るものがなくなってしまいます。注文を受けてすぐに焙煎はするのですが、とてもそれでは捌ききれません。折り込みチラシも入れたしタウン誌に広告も出したし、品物がありませんでは話になりません。間の悪いことに土、日は焙煎機のメーカーもお休み。やっていたとしても、このタイミングじゃ間に合いません。
いったいどうやって、日曜日を乗り切るか。
そのときの私、真っ青な顔していたんじゃないかと思います。

久しぶりに文章を書いたら疲れたので続きは次回。

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