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店づくりすったもんだ日記〜その6

 さて、デザイナーのTさんの仕事ぶりについて。
 店舗設計専門のところより、住宅のリフォーム会社のほうが面白いものができるかもというねらいは、結論から言えば大正解でした。それもこれもデザイナーのTさんがいてくれたおかげ、だと思っています。
 彼女はじつは店舗のデザインを担当した経験はほとんどないということでした。しかしそれで尻込みするのではなく、逆に自分にとり新しいチャレンジということで、ものすごく意欲的に取り組んでくれました。

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 上の写真は店舗の床に使われている松の古材です。これは厚木にある古材やアンティーク専門ショップの倉庫に、私ら夫婦と彼女の3人で出かけて、色味や風合いを確かめながら1枚1枚選んだものです。もともとはアメリカの牧場や納屋で使われていたとか。何十年もの歳月にさらされてとても良い感じに古びているわけですが、その分材料にバラツキ、言い換えれば個性があります。そのため、自分たちで吟味して選んだほうが良いとのTさんからアドバイスに乗っかって厚木まで出かけたのでした。
 輸入古材を床に使うなんて発想は、もちろん私の古ぼけたアタマのどこを叩いても出てくるはずはありません。それまでにも様々な素材のサンプルを見せてもらい、ショールームにも行き、そうこうするうちに彼女がこんなのはどうでしょうと持ってきてくれたのがこの古材の床でした。
 床材を選ぶためだけに、Tさんには半日、厚木までおつきあいいただくことになりました。


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左上の写真はコーヒーの生豆を並べるためのショーケースです。豆を入れて並べる容器には“ねこ瓶”といって、昔駄菓子屋さんなんかで使っていたアレを100円ショップで見つけて使っているのですが、これをお客さんから見えやすいよう、斜めに傾けて置ける展示台を作ってほしいとワガママ全開のお願い。もちろん造作してもらったわけですが、丸いねこ瓶がうまく上を向くよう棚板は特殊な構造になっています。(写真中央)Tさんはこれもひるむことなくチャレンジ、こちらの要求通りの仕様のものをデザインしてくれただけでなく、革張りの表装まで自ら提案しDIYでやってのけてくれました。写真の“鋲”(写真右)になかなか良いのが見つからないと、あちこち探しまわってくれましたっけ。もう、“何もそこまで”状態ではありました。


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 シーリングライトは裸電球っぽい雰囲気のあるLEDを、岡山の輸入業者でしたが、Tさんがネットで探し出してきてくれたもの。こんなのがすでに世の中に登場しているとは全然知りませんでした。こういったリサーチ&プレゼンテーションに関しても(この人すごいな〜)と思わずにはいられませんでした。

 キリがないのでこれぐらいにしますが、店の表情づくりに大きく貢献してくれているタイルの壁やカウンターなども、いくつもの素敵なプランを提示してもらった中から、私たちは「これが好き」などと選んだだけ。


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 なんて言いますか、徹底しているんですね、仕事ぶりが。我が身を振り返って、つい楽な方に行きたくなる俺って…と反省してしまいました。

 さあ、最大の問題であった間取りおよび狭小空間問題を、彼女がどう解決していったか、ようやくたどり着けそうです。

<つづく>

店づくりすったもんだ日記〜その5

 前回はデザイナーのTさんの仕事ぶりを書くつもりが、前置きで終わってしまいました。
 この調子で行くと、延々とこのテーマで書くことになってしまいそうです。仕方がない。誰に迷惑かけるわけでなし、行けるところまでいってしまいます。
 
 なるべくお金をかけずDIY風でいくか、リフォーム業者におまかせでいくか。
 最初は「ど民家風」つまり、現在の家の姿カタチをあまりかえずにいこうというプランでした。自分でやれるところはやって費用を安く抑える。しかし、そもそもDIYでいくには、基本的に自分自身がDIYがさほど得意ではないという問題があります。泥棒っ気と大工っ気は誰にでもあると昔教わりましたが、私なんぞはその「誰にでも」の部類。釘だってまっすぐ打てるかどうか。
 それに、前回書いたように、手作り風のお金をかけないつくりが、お客さんにどう見えるかという問題があります。結局、プロのみなさんにプランを作ってもらい、自分の希望を伝えて納得できる店をつくることに方針を大転換。5社に見積をお願いすることにしたわけです。「内外装にお金をかけてはいけない」という例のアドバイスがアタマをよぎりましたが、「外に店舗を借りた場合の家賃分を改築費に充てるのだ」と考えることにしました。ちなみにリフォーム会社には店舗や事務所が専門のところもありますが、今回の依頼先はすべて住宅リフォームのほう。店舗専門の会社にお願いすると、いかにもそれ風のつくりになってしまうのではないか、という思い込みかもしれませんが予感があったからです。むしろ住宅のプランを専門とする会社の方が面白いものができるのではないかと、うっすら考えていました。
 おさらいすると、プランを作ってもらうにあたり、最初にみなさんにお伝えしたのは、次のようなポイントでした。
1. 1階を店舗兼住居(キッチン、風呂)、2階をプライベートスペースとしたい
2. 店舗スペースには焙煎機2台を置く作業スペースと試飲コーナーを置きたい
3. お客が入りやすい外観にかえたい
 前にも書いた通りで、わずか12平米の店舗スペースでこれらをすべて満足させるのが難しいことは自分でもわかっていました。そこにさらに手洗いおよび器具洗い問題の追い打ちのように襲ってきた、と。
<つづく>(やっぱりちっとも先にすすみません)
 

店づくりすったもんだ日記〜その4

 焙煎店をやってみよう!と思い立って最初にしたことは、ネット上の様々なサイトをのぞいたり、本を買ってきて読む、つまり座学でした。若いころなら、いきなり焙煎業界のど真ん中にドーンと飛び込んだかもしれませんが、残念ながらそんな元気はもうありません。そろりそろりと遠回りもいいところです。

 買ってきた本の中には焙煎店開業の指南書もあり、店づくりについても当然アドバイスが書かれていました。どんなことが書かれていたかというと、「なるべくお金はかけるな」と。
 自分が良いと思う店の写真を見せて、こういうのを作ってくれと頼みなさい、そうしないと内装費がどんどん増えますよと忠告する内容でした。これはある意味まっとうな忠告だと思います。
 繁華街の、店の入れ替りの激しい場所で商売している人の話ですが、内装にお金をかけていそうな店ほど、早く潰れるのだそうです。

 そこで最初に考えたのは、業者にお願いする部分を最低限に抑え、多くをDIYでまかなった手作り風の店です。わが沿線のとある駅前に安くておいしい寿司屋があるのですが、そこの大将が最初に店を出したとき、仲間と内装のほとんどを手作りし費用を最低限であげたそうです。たしかに椅子なんかビールのケースですもん。上に座布団をくっつけてナントカすわれるようになっていますが、はっきり言って内装は二の次、三の次。そこの費用を安く抑えて、良いネタを安く提供するのだ、というところが徹底されているわけです。そのかわり立地は、表通りではないものの駅から歩いてわずか2分ほどの絶好の場所にあります。

 しかし、コーヒー焙煎店の場合はどうなんだろうとも思いました。
 寿司→高い→コストを押さえて良いネタを安く→お客喜ぶという図式が誰でもすぐに浮かびます。内装がチープであることが、逆に店のコンセプトを雄弁に物語っている訳ですが、焙煎店にそのまま当てはめるわけにはいかないのではないか。チープな外観や内装がそのまま「チープなコーヒー」のイメージに直結してしまったり、恐ろしげで入りにくいということになる可能性だってあります。

 女性のみなさん、コンペに参加したデザイナーさんにも、カミさんおよびその友達の皆様にも、DIYや昭和ど民家風は全然ウケがよくありません。
 ひとつにはシアトル系のコーヒー店の上陸以来、コーヒーショップはどんどんスタイリッシュな方向に進んでいることもあるでしょう。座学で買い込んだ本で紹介されていた焙煎店のうち、若い人がオーナーの店といったら、それはそれはオシャレなものです。そっちの方のボキャブラリーが貧困なので、何がどうとは表現できないのですが、私らオジさんとはもうセンスが全然違います。<この項つづく>

店づくりすったもんだ日記〜その3

 コーヒーの焙煎店は、保健所の分類では「食品製造業」ということになるらしい。ついては手などを洗う手洗い設備と、器具を洗浄するシンクの両方を店舗スペース内に設けなければいけない…うへ〜っと頭を抱えた衝撃の情報をもたらしてくれたのは5社の中のひとつ、仮にA社さんと呼ぶことにしますが、そこの営業兼プラン担当さんでした。

 手洗い設備はともかく、なんと器具洗いまで設けなければいけないとは!…肉や魚を扱うわけでもないのに、と正直恨めしく思いましたが、法治国家に暮らす良民としてはキマリには従うほかありません。

 それでなくても、わずかなスペースのなかに店舗機能を押し込むために、各社ともプランづくりにものすごく努力してくれました。ひとつ一つはとても説明しきれませんが、完成した店舗から一例をひくと、たとえば家族用の下駄箱。試飲用のコーヒーを淹れるカウンターの下が下駄箱になっていますが、これは店の入り口が家族用の玄関でもあるという、小さいけれども頭の痛い問題をクリアする、小技ではあるけれどナイスな提案でした。

 生豆の在庫をどこにしまうかという問題もありました。産地国から送られてくるコーヒーの生豆は通常1袋60kgということになっていますが、とてもそんなものを置いておくスペースはありません。幸いなことにネットと宅配便網のおかげで、小口での仕入れに応じてくれる豆の問屋さんも増えており、当店の場合は5kg単位で仕入れています。コーヒー5kgのカサバリは米袋5kgと同じぐらい。ひとつ一つはさほどでもありませんが、これが20種類近くともなるとそこそこ場所をとります。どうしたかといいうと、小型の焙煎機2台を載せる焙煎台を造作して、その下が豆を入れるスペースになっています。これにより焙煎に必要な道具、材料である豆は、すべて手の届く範囲に収まりました。

 問題の手洗い設備に話を戻すと、L5型といって、よく見るタイプの洗面台がありますが、その大きさ以上のものをつけなさというのが保健所のお達しです。これが焙煎台の下にピッタリ収まっています。なんと言うかいろいろな機能を盛り込んだ“多機能焙煎台“みたいなことになっているのです。もうひとつ、器具洗いの方をどうしたかと言いますと、これは2階に上がるL字状の階段の下のスペースを利用。何か器具を洗う設備として考えるといささかの使いにくさは否めませんが、ココに焙煎機を突っ込んで洗うことはないと、勘弁してもらうことにしました。
 (後で、知り合いのコーヒー問屋さんに聞くと、東京では焙煎店を開業するのに、手洗いとシンクの両方なんて話は聞いたことがないとのことです。管轄によって違うのか、正直に問い合わせればキマリどおりにしなさいという話になるのか、その辺のことはよくわかりません)

 さて、こうした難問の数々をクリアしてくれたのが、5社相見積を勝ち抜いて今回のリノベーションを担当してくれた「OKUTA LOHASスタジオ」のみなさんです。なかでも間取りやデザインを担当してくれたTさんの熱意と努力は半端なものではありませんでした。
 次回はTさんの仕事ぶりを書きます。

店づくりすったもんだ日記〜その2

 石田珈琲の店づくりを日記風にまとめる、その2回めです。

 リフォーム会社5社に見積を依頼したものの、これがすったもんだの最初の入り口となってしまいました。
 オリエンテーションといいますか、こちらの要望を各社に伝えるだけで2週間ぐらいかかったでしょうか。

 物件をまず見たいと最初にこちらに来られる会社と、さきにショールームに来てほしいという会社とがありましたが、「家を見せる」「ショールームを見る」がセットで、これが5社分ですから、行ったり来たりがどうしても多くなります。5社はさすがに多かっったかなと思いましたが、事前に絞ろうにもどう絞ったら良いかよくわからないのが素人の哀しさ。5社の選び方も予算内でやってくれそうなところをとりあえずピックアップ!というアバウトさでした。

 このとき頭の中に合ったのは、どう見ても店舗には不向きな構造と超のつく狭さのなかで、どうやってそれなりのものにできるかということだけ。予算がいくらかかるのか見当もつかないなかで、とりあえず500万でどうでしょう?と各社には提示しました。多くのプランを集めればなかにはヒットするものもあるだろうという考えもありました。インテリアとか雰囲気とか、その辺りはノーアイデアに近かったと思います。しいて言えば店主の年齢に合わせて「昭和レトロ風」にしてみようかぐらいのことでした。「古民家風」はむりだから「ど民家風」でいきたいなどと冗談を言ってましたっけ。
 開店後、そのインテリアや雰囲気をおほめいただくことが少なくないのですが、最初からそこを狙ってのことではなかったのです。

 最初のセッションから2週間ほどで各社のプランが出そろいました。
 こちらの要望は店舗兼住宅の店舗側にウェイトがかなり乗ったものでした。
 とにかく狭い。なので最重要にして最難関のテーマは、間取りをどう変更すればわずか12平方メートルの中で必要な機能をすべて満たせるかということにあります。
 ところが、ここで思わぬ難題が行く手に立ちはだかってしまったのです。

<つづく>
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